2014年9月、小学校5,6年で英語を正式教科にするよう提言が出されたそうです。
すでに小学校で英語教育は始まっているので、「正式教科になるのも時間の問題」だと多くの人が感じていることでしょう。
このニュースに肝を潰しているのは、小学校の先生方かも知れません。
正式教科になると親の熱意が変わる
現在すでに小学校の「総合学習」の時間に英語教育がはじまっていますが、簡単な自己紹介をする程度です。
もし正式教科になったら、次元が変わってきます。 (早ければ2018年からという話も)
何が変わるって、御父兄の方々の熱意が変わる。
「下手な授業で成績が伸びなければ子供の将来に関わる」
そんな厳しい視線で、教師の英語を見るようになります。
すべての公立小学校に英語の専任教師を派遣するような余裕は国にないでしょう。やっぱり担任が英語教育をすることになる。
英語が苦手、あるいは英語嫌いな先生は、受難の時代になりそうです。
小学生に英語を教えるのは簡単ではない
若い先生なら今からでも英語を身に付けるかも知れません。しかし、40代以上の先生方はちょっと気の毒なような気もします。
英語が苦手なままで40歳50歳となった先生方が、今から英語を勉強して、しかも生徒たちに教えるというのは、どう考えても無理がある。
多くの人は、「小学校の英語なんて簡単なんだから、ちょっと準備すれば教えられるでしょ?」と考えています。
たしかに、レベル的には簡単でしょう。
しかし、英語は「知識」というより「コミュニケーション手段」ですから、英語が苦手だったり嫌いだったりすると、明白にわかってしまうんです。
それこそ、How are you today? という一言でわかってしまう。
「あー。先生は英語が苦手なんだな」と生徒たちは考える。
それがコミュニケーションの怖さであり、英語を教える難しさです。
知識を教授するだけの科目だったら、生半可の知識であっても通じます。生徒が自分より格段に知識がなければ。
英語の知識を教えるという意味では、受験英語のように文法・語法に偏って教える方法もありますが、小学校の英語ではそれができない。
英語のコミュニケーションを苦手とする人が、英語のコミュニケーションを教えるというのは、難しいことです。
無理せず補助教材を使う
打つ手はあります。
映像や音声といった補助教材を使えばいい。
生徒と一緒に映像教材をみて、一緒に練習するくらいでいいんです。
「先生なんだから教えなきゃ」なんて考える必要はありません。今はもう、「先生」だからといって、上から目線で教える時代じゃない。
まして、今の時代、子供の英会話教室に通っている生徒はざらにいます。 5歳くらいから通って、10歳になったら、5年間みっちり英語のトレーニングを受けています。
冗談抜きで、先生より英語が格段にできる生徒がざらにいます。
英語が苦手なのに無理をして「先生面」すると、絶対に痛い目にあいます。
これもコミュニケーション型の科目の怖さですね。
10歳11歳の小学生で、30歳の先生より算数や理科ができる生徒はまずいません。いたら天才です。 しかし、英語ができる生徒は山ほどいる。
下手な授業をするくらいなら、「先生は英語が苦手だ」と宣言すること。
そして、教えるのではなく、一緒に学ぶことです。