このページでは、英会話の学習法を解説しています。
話せない理由はこれ!英会話は正確さを捨てることから始めよう
英会話が上達する人は、どちらかといえば「いい加減な」人が多いように感じます。
不正確な英語でも気にせず自信をもって話すようなタイプは、英会話もぐんぐん上達します。
完璧な英語を話そうとする人は、いつまでたっても英会話がダメですね。
これを「性格」の話だと片付けずに、学習法として理解しておきましょう。
アウトプットは正確さを後回しにする
英語学習で覚えておきたいのは、インプットとアウトプットで学習法が異なるという点です。
<インプット>
インプット(読む:リーディング、聴く:リスニング)は、初級のうちは正確さを重視した方が上達します。
リーディングだったら、一言一句、文法的な裏づけをとって読む。(構文解析)
リスニングなら、一言一句、聞き漏らさないように聴く。(ディクテーション)
こうやって正確さを重視した学習をやっておくことで、英語の基礎力がつきます。 その次のステップとして、多読とか多聴をやった方が明らかに効率的に上達するんですね。
基礎力がないうちから多読や多聴のように量を追うと、どれだけ英語に触れても「わからない」ことばかり。まったく英語を吸収できないので、非効率です。
ただし、アウトプットは逆になるんです。
<アウトプット>
アウトプット(書く:ライティング、話す:スピーキング)は、初級のうちは正確さは諦めて、適当な英語でいいから発信することです。
英会話では、言葉につまって押し黙ってしまうような人がほんとうに多いです。 正しい英語を話そうとするからです。
文法、語彙、状況すべてに完璧な英語を話さないとならないと思ったら、どうしたって「これでいいのか?」という疑念が吹き出てきて、しゃべれなくなります。
それじゃ学習にならないですよね。 (本人も苦痛だと思います)
デタラメでもいいから話さないことには始まらないんです。 むしろ、デタラメを話そうとしないと、次に進むことができません。
ライティングは模範を用意して、正確な英語を英借文する、なんて学習も可能ですが。 スピーキング(特に演説ではなく、英会話となれば)は、とにかく適当に楽しく話せることが第一関門です。
ということで、スピーキングは、最初のうちは正確さを捨ててください。 不正確でもいいから発信できることが重要です。
多くの失敗を繰り返しながら、徐々に正確さに気を使っていけばいいんです。
ということで、インプットとアウトプットは、学習の順序が逆になる、という話でした。
特にスピーキングは、正確さを諦めないと初級を超えることができません。
英会話はインプットから始まる
いざ英語を話そうとしても、英語表現を知らなければ何も話せません。 もちろん、相手の英語も理解できません。
当然といえばそれまでですが、英会話のスタートは、英語表現を覚えることから始まります。
ゼロから英会話スクールに行くのは無駄が多い
「英会話ができるようになりたい」と思って、いきなり英会話スクールに行く人がいます。
英会話スクールには入門者向けのコースもありますから、それなりに楽しく授業が受けられるかもしれません。そのようなコースはバイリンガル講師が担当するようです。
しかし、英語表現をまったく知らないと自分から話せません。相手の言っていることもわからない。 そのレベルで英会話スクールに行くのは、時間とお金がもったいないと思います。
英語の上達よりも、「英語に触れる時間が楽しければいい」という趣味なら問題はありませんが。
やっぱり独学のインプットが英会話のスタートライン
「英会話」といっても、最初はやっぱりコツコツ英語表現を覚えることからはじまるはずです。
語学というのは、そういう地味なインプットの時間が長いんです。 そうやって基礎力をつけてから、英語で話すトレーニングにステップアップした方が効果的です。
当たり前のことなんですが、英語が苦手な人ほど誤解している気がします。
「会話」なんだから、誰かと話すトレーニングをしなきゃ・・・と。
それはあくまで基礎力がついてからの話です。
英語教材を音読しても英会話できるようにはならないが・・・
市販の英会話教材は、英語のダイアログ(対話集)になっています。 NHKのラジオ講座もほとんどがダイアログ形式ですね。
これをリスニングして、音読して、ディクテーションして、といった学習をしている人が多いことでしょう。そのダイアログに出てきた英単語、文法、表現を覚えることになります。
いわゆるインプット学習ですね。
多くの人が気づいていると思いますが、こういった学習しているだけでは英会話ができるようにはなりません。
自分で英語を作るアウトプット練習が必要です。
インプットをやって、アウトプットをやる。その後、実践の英会話トレーニングを繰り返していくことになるでしょう。英会話ができるようになるためには、そういったステップが必要です。
ただし、重要なことは、最初のインプット学習をスキップできないということです。
英語教材を音読したところで「ペラペラ」と会話できるようにはなりませんが、やっぱり最初のステップととしてインプット学習が必要なのです。
「スピーキング日記」のススメ。いわゆる独り言英会話
ここから、本格的な英会話の学習メソッドを紹介します。
英語で会話をするためには、自分から何らかの話を英語で行う必要があります。
決まりきった英語フレーズと”Yes””No”では、会話にならないからです。
どうすれば、英語で会話ができるでしょうか。まずは、日常の経験を英語にすることです。
ちょっとした日常の出来事を英語にできれば、私たちが日本語でやっているような日常会話を英語で行うことができます。
日常経験を簡単な英語にする
1日の出来事を英語にしてみましょう。
「朝8時に起きた。」
「会社ではミーティングに出席した。」
「昼食は同僚とパスタを食べた。」I woke up at 8 o’clock.
I had a business meetings today.
I ate pasta for lunch with my colleagues.
こんな簡単な内容でいいのです。 単純に1日の行動を振り返って、英語でしゃべってみます。
こうやって英語を考えてみることで、英会話のリハーサルになります。
レベル的には中学英語の内容ですが、案外このような英語がすぐに出てくる人は少ないです。大学生であっても、「朝8時に起きた」をすぐに英語で言えないのが、日本の英語学習者の現実です。
だからこそ、「英語でどう言えばいいのだろう?」と考えることが勉強になります。
どうしても分からなくて、調べたくなったらネットで検索してみましょう。しかし、正しい英語にこだわらず、自分なりの英語で言ってみることも大切です。(実際の英会話では調べる時間はないので)
1日のどんな内容についても、まったく英語が出てこないなら、「英語日記」をテーマにした英語教材を1冊用意してもいいでしょう。
こういう本を1冊手元に置いておけば、表現したかった英語がすぐに見つかります。
すでに英語力のある人は、さらに突っ込んだ内容にしましょう。
日記は続かないけど独り言だと続く
英語で日記を書くのもオススメですが、続かない人がほとんどだと思います。
私は日記が趣味の1つなのですが、さすがに英語で日記をつけるのは続きませんでした。
日記は書きたいことが自由に書けるから楽しいのであって、自由に書けない英語を使うとストレスが溜まります。
しかし、不思議なことですが、独り言としてしゃべるだけなら意外なほど面白くて、ずっと続けることができます。
風呂の中、トイレの中、ベッドの中などで、ちょっとした隙間の時間に英語を考えてみる。
「今日はパスタを食べたけど、英語でパスタを食べたと言うには・・・」 と考えてみるのです。 そして、英語を小さく発声してみましょう。
「書く」という動作を省いただけで、ずっと続けられる学習法になります。
独り言英会話ではなく、「スピーキング日記」と呼ぶ
このような学習は「独り言英会話」と呼ばれるもので、実は有名なトレーニングです。
自分で英語を作るのは、リハーサルになるから学習効果が高いです。確実に英会話の実力がつきます。
多くの英語の上級者が勧めている学習法です。
ただ、「独り言」というのはやめたいと思います。 誰に話すでもなくブツブツと口に出してみるので、独り言には違いありませんが、危ない人のようなイメージがあります。
もう少し良いイメージのネーミングがほしいので、個人的には「スピーキング日記」という呼び方をお勧めしています。
話すネタを用意しておけば会話らしい英会話ができる
スピーキング日記(独り言英会話)を続ければ、ごく簡単な英会話を行う力は身に付きます。
しかし、「もっと深い話をしたい」と思ったときに壁にぶつかります。
英語はあくまで外国語なので、すべてを即興でやろうとするのは無理があります。
自分から話題を提供するつもりなら、前もってネタを用意しておきましょう。 単なるフレーズ単位のやりとりではなく、「会話」らしい英会話をしたいなら準備が大切です。
話すネタは前もって英作文しておく
話が上手い人は「同じ話を別の場所でしている」ケースが多いと聞いたことがあります。
何度も同じ話をしているから、どんどん洗練されて上手くなるのです。
これはお笑い芸人やコメディアンと同じです。 小劇場で何度も同じネタを使っているから、テレビなどの大舞台で面白く話せる。
英会話も同じ。 外国語となればなおさら準備が大切です。
話すネタを用意して、練習しておく。しかも、そのネタを何度も使う。だから、どんどん楽しく英会話できるようになるのです。
ビジネス英語を学んでいる人はもちろんですが、海外旅行で使う英語でも通用する話です。
宿で出会った外国人の方々と話すテーマを、いくつか準備してから旅行されてはいかがでしょうか。
- 日本での生活のこと
- 過去に旅行した場所のこと
- 疑問に思っていて異文化の人に聞いてみたいこと
こういった話題について、英作文しておきます。 推敲して、通じる英語にしておく。 それを音読して、話せるようにしておく。
このように準備しておけば、すんなり話題を提供できると思います。
下記の書籍「村上式シンプル英語勉強法」でも、英会話のネタを前もって用意することを勧めています。
フレーズのやりとりから会話へのステップアップ
英会話というとフレーズ単位のやりとりが思い浮かびます。
たとえば、海外旅行で必要な意思疎通をする英語。
Excuse me. Where can I catch a bus to the ABC Hotel? You can catch one near the DEF Building.
まさにワンフレーズの会話をして、用件が済めば終わり。 海外旅行に行ったときに、こんなやり取りばかりでガッカリしている人も多いことでしょう。
本当はもっと話がしたい。ずいぶん英語を勉強して、そこそこ英会話ができるようになったつもりでいる。 しかし、いつまでたってもワンフレーズのやりとり。
どうすれば、話ができるようになるのか。 それはもう、準備しかないです。 日本語のように、即興で長々と話すのは簡単ではないですよ。外国語ですから。
ぜひ準備してください。 長いストーリーを前もって英作文してください。それを読みながら話す練習をしてください。
それをいろいろな場所で話してみてください。 相手からいろんな反応があるでしょう。
相手なりの見解を述べてくれたり、質問してくれたり。 そういう中で、「自分は会話らしい英会話をしている」と実感できると思います。