どうしても英語が上達しないケース:外国語学習障害について

早く英語が話せるようになる人がいる一方で、どれだけ勉強しても英語が上達しない人もいます。

同じ学習法で、同じ時間勉強していても、英語の習得には大きな差が出てきます。

外国語を習得するときに、どうして大きな差が生じるのか。 これは、言語学の「第二言語習得」という研究分野において、重要なテーマでした。

外国語学習障害とは

最近、明らかになっているのは、生まれつき外国語を習得するための適性を欠いた人がいるという事実です。

これを「外国語学習障害」と呼びます。

一部の学生は、他の科目は極めて優秀なのに、なぜか外国語だけはどうしてもできないのです。

多くの大学で外国語は必修ですから、そういった学生は卒業単位を取得できないことになります。 これが問題視されるようになって、外国語の習得には適性があると認められるようになりました。

現在、米国の大学では「外国語学習障害」と認定されると、外国語の単位が免除されるケースが増えています。

「習得できない学生に教えても無駄」という米国流の合理的な考え方が背景にあります。 学生の立場からみても、苦手なことに時間を使うよりも、得意な科目を伸ばした方が将来のためになることでしょう。

他の科目で天才なのに外国語はできない

ふと思い出すのは、物理学者の益川敏英さんです。2008年に小林誠さんと共にノーベル物理学賞をとって話題になりました。

天才肌の物理学者として知られる益川さんですが、外国語を苦手としている点も話題になりました。

大学院の入試で、数学と物理は満点だけど、ドイツ語や英語は酷い成績だったそうです。入学を認めるかどうかで議論が起きたとされますが、名古屋大学は賢明にも入学を許可しました。

その後も、外国の学会への招待をすべて断るなど、英語を使う場面を徹底して避けたそうです。海外での論文発表が必須とされる学者の中で、益川さんは異例の経歴を歩まれたことになります。

益川さんが「外国語学習障害」に該当するかどうかについては断定する材料がありません。しかし、ノーベル賞級の学者であっても、ここまで極端に外国語を苦手とする人がいる。この事実は注目に値します。

外国語を必修にしてしまうと、ノーベル賞水準の知性を失う可能性がある証拠といえるでしょう。(通訳になるわけでもないのに、大学教育が外国語を重視するのはおかしなことです)

英語に見切りをつけた方がよいケースがある

日本では「やればできる」風の精神論が幅を利かせていて、「できないのはやらないからだ」という乱暴な議論がまかり通ることがあります。

外国語を極端に苦手とする人がいるという現実はもっと多くの人に知られるべきでしょう。 英語ができないのは、勉強が足りないのではなく、生まれつき適性かも知れないのです。

どんなに優れた知性を持っている人でも、外国語だけはまったくできないことがある。このことを忘れないでください。

ですから、もしあなたが英語を極端に苦手としている場合、「もしかしたら自分は適性がないかも知れない」と考えてみることも必要です。

英語が苦手なら他の分野で頑張ればいいだけなのです。 他の分野にエネルギーを使ったほうが、あなたの将来にとって得策かも知れません

英語の学習法を追及するブログでこう結論するのも気が引けますが、英語が極端に苦手な人は、英語にこだわるのはやめてください。

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