このページでは、英語の学習意欲を高める方法をご紹介しています。
損失に注目するとモチベーションが上がる
行動経済学が教えるところによれば、人間は「利益」よりも「損失」にたいして敏感に反応するそうです。
利益を得るチャンスを追うよりも、損失を回避することに意識が向いてしまう。
モチベーションを引き出すためには、利益に注目するより、損失に注目する方が効果的です。
英語を勉強すれば何かを失う
英語の勉強に時間を使えば、その時間に他のことはできません。 他のことをする可能性を捨てたのです。
何かを選択した時点で多くのことを失っていると自覚すること。 それだけで、モチベーションは一気に上がってきます。
もし英語の勉強をしていなければ、その時間は何に使えたでしょうか。
- 違うスキルの習得
- 仕事の専門性を高める学習
- 友人との交流
- 家族との時間
- 趣味に没頭する時間
- 何もしない贅沢な時間
こういった可能性をすべて捨てて、英語の学習を選択したのです。
失ったことを意識すれば、ダラダラと英語を勉強する気になれません。真剣に勉強しないと大損失です。
あらゆる選択肢の中から、今やることに「英語学習」を選んだのは自分自身。
多くのものを捨てたのだから、「絶対に成果を出す!」という覚悟が生まれてきます。
やる気になるのを待たずに勉強する
やる気になるのを待っていたら、行動できずにモンモンとしている時間が長くなります。 やる気があってもなくても勉強すること。
やる気というのは、勉強した後で沸きあがってくるものです。
「やる気」は勉強した後で発生する
行動するためには「やる気」が必要だと思い込んでしまうと、行動の前にやる気を手に入れなくてはなりません。
やる気がないから勉強できない。どうしたら「やる気」が手に入るのか。 そして、やる気を求めているうちに時間ばかり過ぎ去ってしまいます。
ここで発想の転換をしてみましょう。 行動するためには、やる気は必要ない。 やる気があってもなくても行動するようにします。
すると気づくのは、やる気というのは行動した後で発生するものだということです。
やる気 → 行動 (×)
行動 → やる気 (○)
人間の「やる気」というのは、脳の側坐核が刺激されて起きるそうです。 どうすれば側坐核を刺激できるかというと「作業興奮」だとされます。
つまり、やる気が出てから行動するのは間違いで、何らかの行動によってその行動の「やる気」が出てくる。
行動する前にやる気が欲しくなるのは思い込みです。 やる気は、行動の後で出てくることを忘れないようにしましょう。
やる気がない日は復習が助けてくれる
人間ですから、勉強する気になれないこともあります。 それでも、とにかく始めるしかない。やる気というのは行動の後で出てきますので。
そこで、とにかく10分間勉強することを目指してはいかがでしょうか。
10分でちょうど一区切りつくような、「始めやすい学習」を用意しておきましょう。
個人的なお勧めは、なんといっても前日の復習です。
復習には、「始めやすい」という特徴があります。 なんといっても、一度勉強したことを見直すだけですから。
はじめての英文を読んだりするのは、多少のストレスがあるかも知れません。 しかし、昨日読み終わった英文を見直すだけなら、さほどのストレスは感じません。
復習というのは、やる気がわいてこないときでも取り組みやすくて、やる気をもたらしてくれる学習です。それでいて、学習効果も高い。
やる気があってもなくても、とにかく前日の学習内容を見直す。これをお勧めします。
勉強できることが幸せなことだと気付く
モチベーションを上げるコツとして、「今、幸せであることに気づく」というものがあります。
勉強を嫌々やっている人は、「勉強できることは幸せなこと」だと気づくことが大切です。 そうすれば、自発的に勉強するようになります。
勉強できる時代に生まれた幸福
10万年という人類の歴史の中で、勉強できるようになったのは最近です。
ほとんどの時代、学問に現(うつつ)を抜かしていられるのは、貴族階級といった一握りの人でした。
一般の大衆は、その日の糧を得るため、一生にわたって必死に働いてきたわけです。
勉強は富裕層の特権だったんですね。
現在でも、義務教育が普及していない貧しい国もあります。大人になっても勉強を続けられる国は多くありません。
勉強できない日常は、知的好奇心を満たすことができないし、将来の可能性も広がらない。砂を噛むような苦しい毎日に違いありません。
現在の日本は、本当に幸運なことに、誰でもその気になれば勉強できます。
しかしながら、その幸運に気付いていない人が多い。 「勉強は嫌なこと」。そう考えている人がほとんどでしょう。
勉強できることが幸せなことだと気付けば、毎日心から感謝しつつ勉強に集中できるはずです。
世界の変化に適応するとモチベーションが上がる
モチベーションの高い人々は、個人の利益と世界の変化をリンクさせています。
自分にとってのメリットと世界の大きな動きをつなげて考える。 そうすることでモチベーションが何倍にもなります。
自身の欲望はコントロールできるが環境はコントロールできない
自分自身の利益を望んでみても、モチベーションはたいして上がりません。
なぜなら、夢は諦められるし、欲望は減らせるからです。 モチベーションなんて、すぐに消し飛びます。
特に、現代は満ち足りた時代です。 子供の頃の貧しさを怨念に変えて頑張るような、そういうモチベーションの持ち方は少数派でしょう。
歳とともに、欲望が減っていく面は無視できません。 見栄、名誉欲、物欲、承認欲求も、若いときとは比べ物にならないくらい減っていく。
ですから、自分自身のことだけ考えていると、ぜったいにモチベーションは維持できません。欲望が維持できないからです。
しかし、世界の中の大きな変化は、ものすごいリアルに差し迫ってきます。 世界の変化を肌で感じると、動かずにはいられない。
これは環境に適応しよう(生き残ろう)という生物の本能です。 自身のことより、世界の動きを感じたほうが、モチベーションは上がるようです。
英語を学ぶ理由を世界の変化とリンクさせる
英語を学ぶ目的として、誰もが自分自身のメリットを考えているはずです。 上記で書いたように、それだけではモチベーションは維持できません。
世界の変化を結びつけてみましょう。
たとえば、英語を学んでいるビジネスマンの方の場合。
英語力があれば、会社で昇進しやすい。だから英語を学んでおこう。
これは自身のキャリアアップです。 これだけではモチベーションとして弱い。
以下も加えて、見てはいかがでしょうか。
会社はこれから海外市場が主戦場になる。英語ができなければ仕事がなくなりリストラ候補になる。
会社の経営環境の変化と自身の立場がリンクされています。 より大きな視点で英語を学ぶことができます。
さらに以下を加える。
グローバル化により日本は海外との競争が熾烈になる。英語を駆使できる人材がもっと必要だ。
自分の勤める会社だけでなく、日本経済や国際情勢の先行きとリンクができています。 時代の変化によって、英語力が学ぶ意義が明白になっています。
これは大雑把な一例ですが、いずれにしても自身のメリットと世界の変化を結びつけてみると、途端にモチベーションは何倍にもなります。
「欲望を減らす」という自身の調整ができないからです。
「欲望」と「時代の変化への適応」をリンクさせれば、鬼に金棒です。
ページを飛ばしてもいいから計画通り終了する
次に、学習計画とモチベーションの関係について解説します。
モチベーションを維持したいなら、計画通りにいかないからといって遅延しないこと。ここがコツになります。
できない日のページを飛ばして、終了日を合わせてしまうことです。
締め切りを一度伸ばすと際限なく伸びる
何事も計画通りには進みません。
1日2ページ、90日で1つの教材を終える。 そんな学習計画を立てたとしましょう。
しかし、計画通りに進まないものです。 急用や病気などで勉強できない日が発生する。 2ページ進むつもりが1ページしか進まなかった。
その場合、みなさんはどうしていますか?
多くの人は、終了日を後方にずらすのではないでしょうか。
勉強できない日が10日間発生したなら、終了日を90日後ではなく100日後にするとか。
しかし、これは避けた方がいいようです。
終了日を伸ばしてしまうと、際限なく後方にずれていきます。
100日後、200日後、900日後と、伸ばせる日にちに限度はありません。
せっかく90日後に終了すると計画を立てたのに、計画自体に意味がなくなってしまいます。
教材に穴があればモチベーションが上がる
そこで、たとえ学習していないページがあってもいいから、1日2ページの決まり通りに進んでしまうのです。
- 勉強できなかった日があったら、その2ページは飛ばす。
- 10日間勉強できないなら、20ページ分の穴があるようにする。
- 1日1ページしかできなかったら、残りの1ページは飛ばす。
こうすると、ページに穴はできますが、とりあえず90日後には最後のページにたどり着きます。
ここが重要で、最後のページにたどり着くと充実感が発生するのです。
すると、途中のやっていないページも学習する気になります。
最初から律儀にページをこなしていくと、勉強できない日が発生する毎に進度が遅くなります。 するとモチベーションが低下してしまうのです。
「いつになったら終わるのだろう」という不毛感が出てきます。
たとえ穴があるにせよ計画通りに進んでいると、モチベーションがずっと維持できます。
人間は、まったく白紙から何かをするのはストレスを感じます。 しかし、ほとんどが埋まっていて、一部の穴になっている部分を埋めるのは、不思議とやる気になったりするものです。
完成が見えていて、もう少しで完成という状態になっていると、やり抜きたくなるんですね。 英語教材の8割は終わっていて、残り2割の穴がある。 そういう状態のときは、2割分のページをさっさと勉強したくなるものです。
ただし、注意点。 このやり方は、ページを飛ばしても問題のない教材のときだけ通用します。 最初から順番に勉強することが前提になっている教材は無理です。
英語の教材は、ほとんどが飛ばしても問題ないと思います。