このページでは、英語や外国人への苦手意識を払拭する方法について紹介しています。
英語が苦手なら接触時間を増やしてみる
英語に苦手意識をもっている人は少なくありません。
英語の勉強をする気になれない。英語がどちらかといえば嫌い。そんな人でも英語が好きになる「単純な方法」があります。
親近感はコントロールできる
それは接触時間を増やすこと。
英語に触れる時間を増やすだけで、英語が好きになる効果があります。
心理学の実験でも、人間は接触回数が多いほど親しみを感じることが実証されています。
恋に落ちるのも、接触回数が多い人なんですね。 (好きな人と結ばれるには会う機会を増やせばいい。そんな話を聞いたことはないでしょうか)
学問、趣味、仕事上のスキル。 すべて同じです。 何度も触れていれば、親しみも感じるようになるものです。
逆に苦手意識を持つと、自然と接触を避けるようになります。
苦手な教科は勉強する気になれない → 結果的に接触時間が少なくなる → ますます苦手意識が増幅される。
こういった悪循環はよくあることです。
英語が苦手な人は、とにかく英語にたくさん触れてください。
英文を壁に張ってみるだけ
もちろん、接触時間を増やすといっても、単に「たくさん勉強しろ」という話ではありません。
まず、英語が目に入る機会を増やしましょう。
たとえば、英語のフレーズをかいた紙を部屋の壁に貼る。廊下、トイレ、冷蔵庫に張る。 1枚2枚じゃなくて、10枚20枚と張ってください。
普段、生活している中で、英語が自然と目に入るようにするのです。
もちろん、意味の理解できる英文を張ってください。過去に学習した英文を張っておくとか、好きな名言を張っておくとか。
学習した教材のページをコピーして張っておくのもいいでしょう。
部屋にベタベタと勉強の紙が張ってあるなんて昔の受験マンガのようだし、部屋の美観を損ねると思う人も多いでしょう。
効果は絶大ですから、英語が苦手な人は騙されたと思って試してみてください。
英語だけでなく、仕事上のスキルとか、どんなことにも有効なコツです。 苦手意識を消したかったら、たくさん接触することです。
外国人への苦手意識を克服する方法
「英語」が苦手な人は、「外国人」が苦手ではないでしょうか?
この2つの苦手意識は、重なっていることが多いと思います。
外国人への苦手意識を克服する方法をご紹介します。
育った環境を考えればストレスは当然
まず理解しておきたいのは、苦手意識を持つのは当たり前だということです。
日本の環境を考えてみると、同質性の高い島国ということもあり、外国人と接する機会は多くありません。
慣れない外国人と接するときにストレスがあるのは、当然といえば当然です。
逆にいえば、場数を踏んで慣れてしまえば、苦手意識は消えていきます。外国人との接触が増えるにしたがって、ストレスは嘘のように消えていきます。
「結局は慣れ」という前提のうえで、苦手意識を克服するポイントを3つにまとめてみたいと思います。
1.モデルがあれば克服は早い
外国人とどのように接したらいいかというモデルが身近にいると、苦手意識が急速になくなります。
私の場合は大学時代の担当教授が良いモデルでした。外国人と接している教授を間近で見ることによって、苦手意識は自然と消えていったように思います。
これと似た経験をしている方は多いようです。
たとえば、海外出張をする若手のビジネスマンがそうです。海外に出張したとき、最初のうちは先輩社員の下について仕事をすることが多いはずです。その先輩をモデルとして、外国人との接し方を学ぶのでしょう。
モデルがあることで、外国人と接するときの具体的なイメージが持てます。「どう振舞えばいいか」という基準を持つことで、不思議なほどストレスがなくなります。
ということで、モデル(模範)となる人を見つけると、苦手意識を消すのに役立ちます。
実際に接する人物である必要はなく、テレビに出てくる人物でも構いません。
NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」で、外国人と働きながら活躍している人が出てくる回もあります。そのDVDを何度も見だけでも十分です。
あるいは、「世界ふしぎ発見」で魅力的なミステリーハンターが、どのように外国人と接しているかを観るのもいいでしょう。
2.共通の話題がなければ親しくなれるわけがない
日本人同士であっても、共通点がない人と接するのは難しいものです。バスで隣り合っただけの人と親しく話せと言われても困ってしまう。
しかし、共通の話題があれば、すぐに盛り上がることができるものです。同じ趣味でもいいし、同じ業界で働いていてもいいし、同じ街に住んだことがあってもいい。
これは外国人でも同様です。
何か価値観を共有できるものがあれば、すぐに仲良くなれたりします。 漫画やアニメなどのサブカルチャーでもいいし、サッカーや野球といったスポーツでもいい。
こんな話を聞いたことがあります。
海外の大学に留学した日本人学生がいました。 大学のクラスメートや寮のルームメイトたちとまったく話せなくて孤独感に苛まれていたそうです。
あるとき、ゲームの話題が出た。みんな子供時代にプレステで同じゲームをしていたことに気づいたそうです。すると、ゲーム好きな者同士として、一気に仲良くなったそうです。
共通の話題がない = 話すことがない = 孤独
共通の話題がある = 楽しく話せる = 仲良くなる
人間関係というのは、実は、こんな単純な図式なのかも知れません。
趣味が広い人、話題が豊富な人ほど外国人と仲良くなれます。当然ながら、苦手意識を払拭しやすくなります。
特技もあった方がいい
相手が興味を持つような「特技」をもっていると有利です。
国際ジャーナリストの落合信彦さんは、単身で米国に渡ったときに、柔道の特技があったからやってこれた、と書いていました。米国人はマッチョ趣味の人が多いので、彼らに黒帯を見せると尊敬してくれるのです。
こういった何らかの特技で一目置かれないと、マイノリティの立場で暮らすのは大変なことです。
外国人は、「趣味は何か?」という質問をよくします。
この場合の趣味というのは、日本語でいう「気晴らし」ではなく、「特技」に近いものです。「何に興味があり、日常生活でどんな自己表現をして、話題を提供できるのか?」と聞いているわけです。
特技のような趣味は、もっておきたいものです。外国に行って、活発に外国人と接するようなタイプの人は、何らかの特技をもっているケースが多いかもしれません。
3.相手も同じ人間だと5分おきに思い出す
コミュニケーションにおいては、「相手が同じ人間」だと意識することが大切だとされます。
「当たり前のこと」なんですが、忘れられがちなことなんです。
相手も同じ人間なんだから、喜ぶこと、怒ること、気分を害すること、悲しいことは、すべて同じなんです。
それを常に意識すれば、外国人を前にして、不安を感じることがなくなります。対人関係はすべからく「自分がしてほしいように相手に接する」だけのことです。
これは相手の立場に自分を置いてみることです。
相手の立場にたってみれば、自分の不安のすべては、まったく見当違いであるとわかります。
たとえば、日本人は英語力に不安を持っていて、外国人と接することを避ける人が多いようです。
しかし、外国人の立場になってみると、最初から英語力なんて期待していないのです。
逆の立場になってみましょう。外国人が一生懸命に日本語で話してくれたとします。あなたは「日本語力が足りない」なんて思うでしょうか。そんな人はいないはずです。頑張って日本語を話してくれたことに感謝する人がほとんどでしょう。
ですから、英語が片言であっても、それは何一つ問題はないのです。英語力を気にする時点で、相手の立場になって考えていないことを意味します。
対人関係における不安は、相手の立場になってみれば消えるケースがほとんどです。
薄い教材を1冊終わらせると苦手意識は消える
さて、「外国人にたいする苦手意識」ではなく「英語にたいする苦手意識」の話に戻ります。
苦手意識を払しょくする3番目の方法。それは自信をコントロールすることです。
ちょっとした自信をつけることで、苦手だった教科が好きになることがあります。
自信をつけるにはどうすればいいでしょうか?
薄い教材を1つ終わらせることです。
あれこれと複数の教材に手を出さず、とにかく1冊の教材を終わらせる。 不思議なほど苦手意識が払拭されます。
相手が見えれば苦手意識は消える
苦手意識というのは、相手のことが見えないときにわき上がってきます。
何を考えているかわからず、予測がまったくつかない人というのは、苦手意識をもってしまうことがないでしょうか。
人間は全体像をつかめないものにたいして、無意識に恐怖心を持ってしまうようです。
英語もまったく同じで、英語に苦手意識をもっている人ほど英語の全体像を把握していません。
「英語がどういうものか」について経験を積んでいれば、自分の実力を正確に把握できるし、実力を上げる方法論もわかってきます。設定した目標までの労力についても予測できます。
そこで、とにかく1冊の英語教材を終わらせることをお勧めします。
それによって以下のことがわかってきます。
- 英語がどういうものかについて、それなりにイメージがもてる。
- その教材を終わらせるために要する「努力の量」がわかる。
- 自分の英語力について、その教材を基準にして把握することができる。
このような経験値は、教材を終わらせないと積むことができません。
英語に苦手意識をもっている人にとっては、教材に書かれていた知識(単語、表現、文法)よりも、そのような経験の方が重要です。
教材を1つに絞るのは簡単ではない
5冊も10冊も教材をやっていては、それぞれの教材を終わらせるまで時間がかかります。
英語に苦手意識をもっている以上、長期戦になればなるほど挫折するリスクが増えることになります。とにかく1冊に絞ることが重要です。
しかし、1冊の教材に絞るというのは、簡単なことではありません。
「もっと良い教材があるのではないか」「もっと自分に合った教材があるはずだ」と目移りするのが人間です。
英語力がついてくるにしたがって教材選びも上達しますが、それまでは失敗することが多いものです。
つまり、英語が苦手な人は、「教材選びが難しいのに1冊に絞った方がいい」という矛盾を抱えることになります。
私としては、あれこれ複数の教材に手を出して、どれも中途半端で挫折感ばかり重ねるよりは、たとえ教材選びを間違って英語力が伸びなくても、とにかく1冊に絞って終わらせることが大切だと考えています。
そもそも、たった1冊の英語教材で身に付くことなどたかが知れているので、「最高の教材」選びに執心するのは馬鹿げているようにも思えます。
たとえ失敗することになっても、上記に書いた「1冊を終わらせることで得られる経験値」を重視すべきです。
英語が苦手な人は、勇気を出して1冊の教材に絞って、それを終わらせてみてください。
薄くて易しくて独立した英語教材を選ぶ
では、どのような英語教材を「1冊の教材」として選ぶべきでしょうか。 3つのポイントがあります。
1.薄い教材
これは鉄則です。 英語が得意なら分厚い教材でもかまいませんが、苦手ならすぐに終わる教材にすべきです。
挫折のリスクをへらすためです。1冊を終わらせないと意味がありません。できるだけ薄いものを選ぶようにしてください。
独学の場合、ゆっくり学習しても3ヶ月以内で終わるくらいの薄い教材にしてください。
2.易しい教材
これも言わずもがなでしょう。 英語が苦手なのに難しい教材を選ぶというのは、あまりに馬鹿げています。
仮に社会人であっても、英語に苦手意識を持っている限り、中学生レベルからやり直すべきです。
3.独立した教材
3番目は説明が必要だと思います。「独立した教材」というのは、その教材だけで1つの世界を形作っているような教材です。
たとえば、英語の絵本はどうでしょうか。それだけで1つの世界です。こういった完結した教材を用意したものです。
フランス語なら「星の王子様」を使うのが定番になっています。英語でもやさしい物語はたくさんありますので、それを1冊確実に読めるようにしてはいかがでしょうか。
物語ではなく、会話教材でも同様です。たとえば、NHKラジオ基礎英語のダイアログは、1年で1つの物語が終わるようになっています。NHKラジオを聴いていると1年かかってしまうので、講座をまとめた本が出ています。
NHKテレビ英語でも初級者向けに「リトル・チャロ」といった人気教材があります。
こういった独立した教材を1冊終えると、その教材の世界が手に入りますから、達成感があります。
あれこれと複数の教材に手を出すのではなく、確実に1つの教材を身につけてください。
「単語集」「文法書」「表現集」「海外旅行の会話集」といった個別テーマの教材に手を出すよりも、その1冊で何らかの世界を形作っているような教材を選びましょう。その方が自信になります。
時間ではなく継続日数を重視する
英語に苦手意識をもっている方は、勉強時間ではなく、継続日数を重視してください。
自信をつける一番確実な方法は、継続した日数です。 1日5分とか10分の学習でいいので、続けてください。
行動できなかった記憶が自信を奪う
ほんの少しの勉強を続ける効果は、思った以上に大きいものです。
英語が苦手なら、いきなり2時間の勉強をしようと思っても、まず続きません。
そして、「続かなかった」という事実が、さらなる苦手意識を植え付けるものです。
「やろうと思ったけど、できなかった」。 こういう記憶を積み重ねると、どんどん自信を失っていきます。
ですから、下手に大きなことをやろうとしない方がいいでしょう。 苦手なことは苦手だと認める。
謙虚になって小さな行動を続ける。 そして、「できた」状態に自分をおく。その記憶を積み重ねることです。
最終的にはムラのない人が勝つ
1日5分でも10分でもいいから、英語の勉強を続けてみる。 場合によっては、1分でも2分でも構いません。
とりあえず、「勉強を続けられた」という事実を自分に教えることが大切です。
「英語の勉強を3週間続ければ習慣になる」で書いたように、たとえ1分の勉強でも3週間続ければ、英語にたいする心理的な抵抗感は嘘のように消えています。
抵抗感をなくして習慣にすることが目的ですから、飛び飛びではいけません。
<1時間勉強、さぼり、3時間勉強、さぼり、さぼり、3時間勉強・・・・>
苦手意識をもっている人は、このようなムラのある勉強では駄目です。習慣にならないからです。
気まぐれに長時間勉強すると、変な自信をつけて、それがサボる口実になったりします。「俺はやる気になれば長時間できる」とか、なんとか。
<5分勉強、5分勉強、5分勉強、5分勉強、5分勉強、5分勉強、・・・21日間継続>
このように、とにかく続けること。
歯磨きを思い出してください。ある日2時間かけて歯磨きをしても、歯磨きをしない日が多ければ、やっぱり虫歯になってしまいます。
当たり前のように毎日継続できること(継続できる人間になること)。 それが大切なんです。
5分の勉強に意味はあるか
ほんのわずかな行動が大きく人生を変えることがあります。
少しでも行動すると、自分が変わっていくからです。
誤解していただきたくないのは、5分間の勉強で英語力が伸びるかどうかは、どうでもいいのです。実際、たいして伸びることはないでしょう。
しかし、5分勉強できた、それを継続できた、という事実によって、自分の内面が変わっていくのです。
これはダイエットでも有名な考え方です。
運動習慣のない人にむかって、「1日1時間の運動をしてください」と言ってみても無理です。続くわけがない。
「運動しないと生活習慣病になって、早死にします。その兆候があります」などと、どれほど脅しても、結局は続かないのです。
続かないことで、自分に自信を失って、自棄になってしまうことさえあります。
だから、間違っても大きな行動を起こそうとしてはいけません。1日1時間も2時間も運動しようとしてはいけないのです。
そうではなく、「毎日、テレビCMを見ているときに1分間だけ足ふみ運動をしてください」と指導する。
すると、その人は「1分ならできそう」と感じてやってみる。 「1分の運動ができた」という事実が重なって自信がつく。
そして、足ふみ運動する時間が伸びていく。10分、20分、30分と。
やがて、体を動かす気持ちよさを覚えて、自発的に1日1時間でも2時間でも運動するようになるという。健康になったのは言うまでもありません。
これは以下の本に書いてあった実話です。
名著なので興味があれば読んでみてください。小さな行動で人生が大きく変わることを信じられるようになります。
少しの行動によって、自分の内面は急速に変わっていくものです。 そして、内面が変われば習慣が変わりますので、その後の人生も大きく変わっていきます。
トリガーとなる行動は、本当に些細なことでいいのです。
「1分の運動では効果ない」とか、「5分の勉強なんて意味がない」とか、そういう考えは捨てる必要があります。
重要なのは、自分が変わることなのですから。
些細な行動を馬鹿にするような人の言葉は、無視してください。 大きなことばかり言う人とは、距離をとったほうがいいです。
もし英語が苦手なら、5分でいいから勉強してみてください。
1分の足踏み運動をしたことで大きなダイエットに繋がったように、5分の学習をしたことで本格的な英語学習に繋がることがあります。
英語が苦手な人は、継続だけを目的にして、毎日5分の気楽な勉強をやってみてください。
やがて、大きな変化を実感できるはずです。