質量転化の法則

質量転化の法則」という言葉はご存知でしょうか。 量をこなすことで、質的な変化が表れるというもの。

何事も量をこなすことが肝心です。 英語の上達においても、絶対に覚えておくべき普遍の法則です。

量をこなせば質が変わる

英語力というのは、少しずつ上達するのではなくて、段差的に急変化します。 「ちょっと上達したな」という実感ではなく、「自分の英語が質的に変わった」という実感をもつことになります。

質的な変化をもたらすのは何でしょうか。 何か秘策があるわけではなく、大量の勉強しかありません

英文を大量に書く。英会話を大量に行う。 すると、あるとき急激に質が向上しているものです。

圧倒的に勉強量が足りない

英語の上級者たちは、「英語ができない人は圧倒的に勉強量が足りない」と口を揃えて言うものです。

それだけ、自分たちのやってきた勉強量に比べて、英語を苦手とする人の勉強時間が少なく思えるわけですね。

英語の習得に才能は必要ありませんので、勉強量がものを言うからです。 (例外はあります。 → 外国語学習障害

才能がないから英語が上達しないというケースは、ほとんどないと思います。

もちろん、プロの同時通訳といったレベルなら話は異なりますが、通常の英語習得レベルなら才能が問題になることは滅多にないです。

量がこなせないパターン

勉強量が足りない人には、共通のパターンがあると思います。

それは、「本人は勉強している気になっていても、実際はまったくやっていない」というパターン。

1日のなかで、「勉強しなきゃ」と強迫観念のように自分に言い聞かせている時間が長い。 やっとのことで勉強をはじめても、せいぜい小1時間程度。 しかし、本人はクタクタにつかれている。

成績がパッとしない学生にありがちなんですが、社会人でも珍しくないと思います。

心の中で「やらなきゃ」と考えている時間が無駄なんですよね。 しかし、取り掛かることができない。

本心では勉強をしたくないのに、頭で「やらなきゃ」と考えているから、そのようなパターンに陥るのだと思います。

本音では英語から逃げたい人にとって、大量の勉強は無理がありそうです。 心の本心に反する意志を使ってみたところで、悪循環に陥るだけです。

それでも英語の上達が必要なら、強制されるしかないと思います。 英語スクールとか塾などのように強制的に勉強する場所に行くしかありません。

量をこなすための1つの方法

独学で英語を身につけたい人も多いことでしょう。 自分の力で大量に勉強するには、どうしたらいいでしょうか。

決定的な方法があります。

それは、難易度を劇的に下げること。

高校レベルの英語をやっている人は、学習内容を中学レベルまで下げる。 簡単なことを学習するわけです。

今やろうとしているレベルで量をこなせないなら、レベルを下げるしかない。学習のストレスが少なくなりますから、量をこなせるようになります。

それでもダメなら、目標を下げるしかありません。

将来、「外資系企業でバリバリ働く」なんて目標をもっているなら、「海外旅行で挨拶ができればいいや」レベルまで到達目標を下げる。

量をこなせないというのは、目標を達成する資質を欠いています。高すぎる目標をもっても苦しむだけです。

そこで、目標を下げる。すると、学習のストレスがなくなって、一歩一歩前進できるようになります。

量にたいする根本的な誤解

最後に、量とは具体的にどのくらいの量なのか?という話。

勉強量が足りない人は、「たくさん勉強する」という意味を誤解していることがあります。

たとえば、私が英語をいちばん勉強していた頃、起きている時間のほぼすべてを英語の勉強に費やしていました。

プロ通訳になるとか、そういう高いレベルの話ではありません。 どんなことでも、何かを達成しようと思ったら、可能な時間のすべてを費やすしかありません。

いかに大量の時間を投資できるか

英語の習得に必要な勉強時間はどのくらいか?という議論があります。

「1日1時間」なのか、いや「1日2時間」なのか、「いや、社会人は忙しいから1日40分でなんとか」とか。

そういった方向で考えていたら、質量転化は不可能です。

そのような計算は、「いかに少ない勉強時間で済ますか」という効率性を追った発想です。量を追求する姿勢がありません。

どうすれば勉強時間を大量に確保できるか」というように、180度の発想転換が必要です。

「少なく済まそう」ではなく、「いかに限界まで時間を投入できるか」と考えます。「勉強以外のことをしている時間をどこまで減らせるか?」と言い換えることもできます。

質量転化を引き起こしたいなら、勉強時間を限界まで増やす方法を常に考えてください。

子供時代から当たり前のこと

身近にそういうことをやっている人がいれば、イメージしやすいと思います。 1つのことに打ち込んでいる人はみんなそうしています。

ゲーム好きの人たちは、夜中までずっとゲームをしていませんか?

学生時代の野球部の人たちは、朝練はもちろん、夕練、夜練、ずっと野球に打ち込んでいませんでしたか?

バンドを組んでいる人たちは、バイト以外はいつも音楽に関わっていませんか?

繰り返しますが、プロを目指すとか、そういう話ではありません。 量が質に変わるまでやる、という話。

質量転化とは、そういうことです。英語を習得するのも、まったく同じことなのです。

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