リーディングの学習法

このページでは、英語リーディングの学習法を解説しています。

リーディングは分析的に読むことが欠かせない。(5文型の話)

英文のリーディング力をつけるためには、分析的に読むことが前提になります。

「分析的に」というには、どこが主語なのか、動詞なのか、目的語なのか、といったことです。いわゆる5文型を把握すること。「構文解析」と呼んだりします。

このような文法力がないとリーディングの力はつきません。

リーディング学習の前に、「そもそも文法を理解しているか?」について考える必要があります。

以下、英文のリーディングになぜ文型の理解が必要なのかを簡単にご説明します。

文型が理解できないとどうなるか

分析的に読むことができないとどうなるでしょうか。

個々の単語に注目して、その意味を適当につなげて理解しようとします。

She called me Ken.

この英文を分析的に読めない人は次のようなリーディングになりがちです。

「She は彼女で、callは呼ぶで、meだから、”彼女は私を呼んだ”かな。あれ?次にKenがくっついている。なんだろ。強引にくっつけると、”彼女は私をケンと呼んだ”になる。あ、これだ!」

個々の単語の意味をくっつけるのが、いかに「あやふや」で遅い読み方なのかよくわかります。

callを単純に「呼ぶ」とだけ理解するようなリーディング学習では、call A (Aを呼ぶ)という第3文型の内容しか予測できません。

第5文型(SVOC)を取ることがわかっていれば、目的語のmeに続いて、補語が置かれる可能性を予測できます。(call A B 「AをBと呼ぶ」)

さらに、第4文型(SVOO)もありえます。

She called me a taxi.

この意味は、「彼女は私のためにタクシーを呼んでくれた」。

call = 「呼ぶ」という理解しかできていないと、「彼女を私を呼んだ・・・。あれ?タクシーがくっついている。彼女は私をタクシーと呼んだ?そんなはずはないよな。なんだ、これは?」となってします。

個々の単語を和訳するような読み方では、それぞれの動詞がどんな文型を取りうるのかについて注目できないのです。

英文をみたら「これはどの文型に該当するか」という分析的な読み方をトレーニングする必要があります

これによって英文を早く正確に読むことができるようになります。

この読み方が一通りできるようになると、リーディングの基礎力がついたことになります。

もし、自分には文法力がないと思ったら、英文法の学習を組み合わせてください。→ 英文法の学習法



英文を和訳する癖は多読で直す

英文を読むというのは、英語のまま理解することです。

ですが、多くの人が英文を一文ごとに和訳しながら読んでいます。 これは英文を読むというより、英文を翻訳しているのです。

この癖はわりと簡単になくすことができます。

簡単な英文を多読する

「英文を読むときは、英語のまま理解する。」

↑この台詞を聞いて、「難しいこと」だと感じませんでしたか?

和訳しないで、内容を理解できるはずがない。 よっぽどハイレベルな英語力のある人だけができることだと。

そんなことはまったくありません。

意外なほど簡単に、英語のまま内容を理解して、英文を読めるようになる方法があります。

それは、ごく簡単な英文を多読すること。

自分の英語力よりはるかに簡単なレベルの英文をとにかく大量に読むことです。

中学レベルの英語力の人は、それこそ This is a pen. レベルの簡単な洋書を何万字も読んでみてください。

おそらく1ヶ月ほどで英語のまま理解する、ということができるようになります。

そのとき、和訳するというのは癖であって、内容を把握するのに和訳は必要ないことがわかるはずです。

もちろん、難しい英文を読もうとすると、和訳する癖が出てくることでしょう。

そうであっても、「簡単な英文なら英語のまま理解できる」という経験を積んでおくことが第一歩です。

このような多読の方法論を提唱しているのは、「めざせ!100万語」のSSS英語学習法です。

→ SSS英語学習法

ネイティブの子供向け書籍 (Graded Readers) を使った多読を勧めています。 語彙制限のある簡単な洋書を多読することになります。

ぜひ試してみてください。

初級の人にとって多読はどんな効果があるか

たくさんの英文を読む「多読学習」は効果的なトレーニングです。

初級の人にとって、多読にはどんな効果があるでしょうか。 英語のまま意味が理解できるようになり、英語の語順にも慣れることができます。

英語のままイメージして、英語の語順に慣れる

上記の繰り返しになりますが、多読の効果は、日本語に訳さずに英語のまま読めるようになることです。

それ以外にも、英語の語順に慣れることも重要です。 日本語と英語では、語順が異なります。

初級レベルの方は、この語順の違いに戸惑うものです。

He was going to school in Tokyo.
(彼は通っていた、学校に、東京の) 「彼は東京の学校に通っていた」

日本語は述語が最後におかれます(「通っていた」の部分。 それにたいして、英語は目的語や修飾語の前に述語動詞がくるわけです。

ですから、初級レベルの方は、意味を取るときについ返り読みしてしまうことがあります。

こういった言語的な違いは、それだけ言語間の距離が遠いことを意味します。文法的な規則がここまで異なると、英語が難しいのも当然なのです。

たくさんの英文を読んでいるうちに、この語順になれることができるわけですね。

音読と同じ学習効果

音読のメリットは、なんといっても英語のイメージ化です。

音読を繰り返せば、和訳癖が完全に消えて、英語のままイメージできるようになります。

さらに、同じ英文を何度も発声することで、英語の語順に慣れていくことも間違いありません。

つまり、音読と多読は同じ学習効果があるんですね。

同じ英文を何度も声に出す「音読トレーニング」。 たくさんの英文を読む「多読トレーニング」。

どちらも同じ効果があるというのは興味深いものです。

リーディングは分野を絞ったワンテーマ方式

英文の素材について解説します。

リーディング素材は分野を絞ると効果的です。

無関係なテーマを読むより、1つのテーマに絞った方が、ボキャブラリーが重なるので上達を実感しやすいのです。

テーマを絞ると上達を実感しやすい

日本語の文章であれば、多様なテーマをなんなく読むことができます。

経済だったり、恋愛ドラマだったり、競馬だったり、脳科学だったりと、それこそ興味のおもむくままに読むことができます。

英語となるとそうはいきません。

分野が異なれば、使われる英単語や表現は異なってきます。 もともとの英語力が格段に高くないと、多様なジャンルを読みこなすのは難しいのです。

そこで、リーディング素材は多くても3つ以下の分野に絞ったほうがいいでしょう。

興味がある分野を選ぶことは大前提です。 そのうえで、背景知識があれば、英文を読むのも楽になるでしょう。 (興味のあるものは、それなりに知識があるものですが)

多少、ニッチな分野でも気にする必要はありません。 今はネットで検索すれば、どんな分野であっても英文が手に入ります。 大手メディアのテキストも無料化していますので。

欲望を満たすテーマでリーディング

リスニング素材を選ぶときの「興味のある分野」というのは、できるだけ柔軟に考えてください。

「欲望を満たすテーマ」と考えるとわかりやすいかも知れません。

「分野」というと、経済、政治、IT、スポーツなどが浮かびます。 学問の分野、職業の分野のようなものです。

あるいは、釣り、登山、ジャズなど、趣味として成立する「分野」があります。

それらの分野からリーディング素材を選んでも、もちろんOKです。

ただし、本当はそんな堅苦しく考える必要はありません。

自分の欲望を満たすようなテーマであればいいのです。

動物好きなら

たとえば、ネコが好きだったら、ネコについての英文素材を読みまくってみてはいかがでしょうか。 犬のコリーが好きなら、その犬種の英文をネットで探してください。

同好の人たちが山ほどいて、写真や動画なども豊富に見つかります。

ギャンブル、投資好きなら

たとえば、いつかラスベガスで勝負したいと考えているなら、ギャンブル関係の英文素材を探してみてはいかがでしょうか。

あるいは、株式投資で一旗あげたいと思っているなら、投資関連の英文素材を追求してみてください。お金がかかっているだけに集中できるかも。

男なら女なら

話の流れで予想が付くかも知れませんが、ポルノ小説だっていいんですよ。 それが読みたいなら、どんどん読んでください。

無料から有料まで、いくらでも英文は見つかります。

女性ならハーレクイン小説が選択肢に入ります。過激な描写も含まれる(大衆)恋愛小説(女性向け)です。

ということで、リーディング素材を選ぶときには、あまり堅く考えずに「読みたいもの」を正直に探すことです。

リーディング素材としてスポーツニュースをお勧めする理由

リーディング素材としてスポーツニュースを使うことを提案します。

私はスポーツ記事の英文を素材としてよく使っていました。 主にサッカーとテニスです。

スポーツ分野は以下のようなメリットがありますので、非常に優れたリーディング素材です。

1) 次々に新しいニュースが入ってくる。

ニュース性というのは興味を持続するうえで重要です。ジョークのような小話もリーディング素材として有用なのですが、その手のジャンルはニュース性がないので、わりと飽きてしまうことが多いです。

2) 記事の量が多く、どんなメディアでも掲載するので簡単に見つかる。

スポーツニュースというのは、どんなニュースサイトでも豊富に記事をあげています。ニュースポータルで検索すると無尽蔵に出てくる。この利便性はけっこう重要です。

3) 内容が軽い。

スポーツは内容が軽いので、英文も非常に読みやすいです。

個人的な趣味としては、歴史や国際関係のような分野も好きですが、お堅いジャンルは英文を読む負担が重いのです。

1つ1つの記事が長い傾向があり、それなりに深い背景知識はもちろんのこと、難易度の高いボキャブラリーも使われます。気取った難しい英語表現が使われがちです。

堅いテーマは、ある程度のリーディング力がついてからにしましょう。

4) 表現がかなりパターン化されていて、慣れればすぐに読める。

これもスポーツニュースの特徴で、英語表現が形式化しています。 試合結果などは数字だけ変えて同じ英文のように感じます。 リーディングが苦手な人でも取り組みやすいはずです。

5) 試合結果、試合内容、インタビュー、評論など、英文のスタイルは幅広い。

パターン化されているのは、試合結果や速報だけ。 スポーツ評論の部分は、深い分析がなされていることがあります。(とはいえ、堅いテーマに比べれば読みやすい)

その他、ブログ、facebook、twitterなどでファンもさかんに情報発信しています。

そのときどきの気分で、どのタイプの英文を読むのか選ぶことができます。

ということで、スポーツニュースはお勧めジャンルです。 もし、興味のあるスポーツがあるなら、ぜひリーディング学習で使ってみてください。

その英文を読む理由はあるだろうか

リーディング学習のときに考えてみたいのは、「読む理由」についてです。

英文を読むのは、それなりのストレスがかかります。負担の重い学習なんです。

「英文を読む理由」がないと、リーディング学習は続かないと思います。

語学には理由が必要

英語学習でもっとも避けたいことは何でしょうか。

それは、「読みたくないけど、リーディング学習のためにしょうがなく読む」こと。 リスニングだったら、「聴きたくないけど、リスニング学習のためいしょうがなく聴く」こと。

つまり、嫌々やっていたら語学は上達しないんですね。

好きな分野の洋書を読むとか、好きな洋楽を聴くとか、好きな洋画を素材に使うとか、とにかく「やりたい」素材を探さなくてはなりません

ただし、「好きなこと」「やりたいこと」というと、誤解があるかも知れません。

意欲的に取り組めればいいわけです。

たとえば、仕事に関係する英文なら、将来のキャリアアップを考えて読む気になるかも知れません。

「好き」でもいいし、「メリットがある」でもいいし、「知りたい」でもいいし、「得する」でもいい。 とにかく、読む理由があれば、リーディング学習に張り合いが出ます。

みなさんが普段使っているリーディング素材は、みなさんにとって「読む理由」があるでしょうか。

もし、しょうがなくリーディング学習をしているなら、「どうしても読みたい英文素材は何か?」と自問してください。

多読はやさしい英文を使う

リーディング素材の難易度について解説します。

英文素材は、(自分にとって)やさしい英文を使いましょう。

たくさんの英文を読むことになりますので、難しい英文を使うと長続きしません。 英文からどんなストレスを受けているのか、常にチェックした方がいいでしょう。

昔は難しい英文素材が推奨された

多読するなら、やさしいレベルの英文を使う。

これは当然と言えば、当然かも知れません。 わからない単語だらけの難しい英文だったら、とても多読する気になれないですね。

ですが、これが当然と言われるようになったのは、最近のような気がします。

1980年代以前は、難しい英文を読むことが推奨されていました。 難しい英文をたくさん読んで、新しい英単語をたくさん覚えろと。

辞書を片手にして、難しくて頭を抱え、顔を真っ赤にしながら読んでいる光景。 片っ端から辞書を引くような読み方。 それが当然とされていたのです。

ただし、こんな多読のやり方で実力を伸ばしたのは、本当にごく一部の人でした。

難しい英文を大量に読むなんて、普通は続きません。

この多読法で実力を伸ばした人は、実はやさしい英文もたくさん読んでいる人が多かったと思います。それに加えて、難しい英文もたくさん読む。要するに、筋金入りの英語好きの猛者ばかり。

昔は本当に精神論というか、気合というか、高望みすることが正しいような風潮でした。 実力を超えた方法論ばかり推奨される。

どうにか頑張ってやり通した人だけが実力を伸ばせばいい。 そんな風潮でした。

多くの人にとって有効な学習法でないのに声高に叫ばれたのは、今から見れば、馬鹿げたことです。

自分にとってやさしい英文を用意しよう

普通の人が英語力を上げるには、やさしい英文をたくさん読むことから始めるべきです。 確実に有効なトレーニングであると言い切れます。

ただし、何を「やさしいレベル」と感じるかどうかは、人それぞれです。 それぞれの英語力に応じて、自分なりのやさしい英文を使いましょう。

私にとっては、海外のスポーツニュースはやさしい英文です。 だからこそ、日常的に読む気になりますし、楽しく多読できています。

初級レベルの方は、もっとやさしい英文を探した方がいいかも知れません。

多読学習で有名なGraded Readersでもいいと思います。

Graded Readersは、ネイティブの児童用に書かれた本で、レベル毎に語彙が制限されています。

レベル0なら、基本500語だけで書かれていて、ネイティブの7歳未満の子供が読む本です。 実力が付くにしたがって、レベル1、レベル2と上げていけば、ちょっとずつ語彙が増えていきます。ネイティブの7歳(小学校1年)、8歳(小学校2年)といった感じです。

レベル6になると、ネイティブの小学校6年に相当しますので、一般的な洋書も含まれてきます。

Graded Readersの案内は以下のページが有益です。

洋書の英語教材(多読用のGraded Readers)

専門分野の雑誌をリーディング素材にする

中級レベル以上になったらリーディング素材として、専門分野の雑誌とか業界紙がお勧めです。

それらの素材は、英語だからこそ読める情報です。

情報的な価値を感じる英文を用意することで、モチベーションが上がります。

英語が読めるのに読まないのは、読めないのと一緒

英文が読めるということは、英語の情報にアクセスできることです。 英語が読めなかったら手にできなかった情報を手にすることができる。

さすがに今となっては、情報的な価値がある英文は、誰かによって翻訳されて日本でも読めることが多いですが。

明治時代だったら英語が読めるだけで、すぐに専門家を気取ることができたわけですね。(翻訳学者には批判もありますが)

いくら翻訳テキストが溢れているといっても、それ以上に英文情報が爆発的に拡大しています。 すべてを翻訳するのは無理がありすぎます。

ですから、英語が読めることは間違いなく、情報的に有利な立場にいるはずです

ソフトウェアによる自動翻訳(ブラウザの翻訳機能など)もありますが、不自然な日本語は読んでいてストレスがあるので、多くの人にとって読む気がしないはずです。

どんな専門誌でも検索すれば見つかる

リーディング素材として、日本語に翻訳されていなくて、情報的な価値のある英文を探しましょう。

仕事や趣味の業界紙、専門分野の雑誌はいかがでしょうか。ほとんどがネットで無料で公開されています。

探し方は簡単。

英語版のグーグルで、「○○○ magazines」で探します。 magazinesの単語を外してみたり、いろいろ試してみてください。

たとえば、自動車業界に勤めているとしましょう。 (あるいは、車が趣味だとしましょう)

「automobile magazine」で検索してみる。

すると、以下のようなサイトが見つかります。

新車の試乗レビューを中心に豊富なコンテンツがあります。 車好きの人にとっては、日本の雑誌にはない情報も見つかることでしょう。

(もしかしたら、この雑誌の翻訳版が日本で手に入るのかも知れませんが、一例ですのでご容赦ください)

こういう専門誌を読んでいると、ライバルに差がつけられるような気がしませんか? 錯覚かも知れませんが。

一般向けの英語教材やニュース素材だけでなく、ぜひ専門誌をリーディング素材に使ってみてください。

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